『奇跡の人』

cinemachouchou2005-01-13


ヘレン・ケラーの伝記を読んだのは小学生の頃。そして、この映画を初めて観たのはTVで高校生の頃だったと思う。初めてこの伝記を読んだとき、可哀想で泣いてしまった。そして、初めてこの映画を観た時はあまり気持ちよくなかった...。


あれから随分久しぶりに見終わった後、じんわりと涙が溢れてくるのだった。思えば、このヘレン・ケラー役のパティ・デュークは当時16歳くらいで6歳の少女を演じていたのだなぁ。もう少し幼い少女に見える。とにかく、凄い迫真の演技で圧倒される。アニー・サリヴァン役のアン・バンクロフトも然り!共に、アカデミー賞の主演・助演女優賞に輝いたのも納得。時に、観ているこちらまで痛い思いがする。ある種のヒステリックさが怖く不快な場面もある。きっと、10代の頃の私はその辺りの描写を直視出来ずにいたのかもしれない。そんな風に懐かしく苦笑いする思いがした。


「ナタリーの朝」の少女ナタリー、「アグネス」のルース院長も印象強く残っている。1979年の「奇跡の人」ではパティ・デュークサリヴァン先生に扮しているそうだ。こちらは未見なので是非、観てみたいと思う。


人間の魂を信じ、最後まで諦めずに三重苦の少女と共に闘ったアニー・サリヴァンの孤高の精神にとても勇気づけられる。光に弱い瞳は不可解な心の光を見る作業を諦めなかったのだ。



「奇跡の人」:THE MIRACLE WORKER
1962年 アメリカ映画 アーサー・ペン監督
出演:アン・バンクロフトパティ・デューク、ビクター・ジョリー、インガ・スウェンソン