『悲しみよこんにちは』

cinemachouchou2005-02-04

古い映画。「悲しみよこんにちは」というタイトルに目が止まり図書館で借りたのは、このセシールとほぼ同じ年の頃だった。原作のフランソワーズ・サガン(昨年秋に他界された)は18才の時に書いたのだそうだ。大人に近づく少女の心理がとてもよく分かる。今はさらに。


デヴィッド・ニーヴンとデボラ・カーは素敵な大人のカップルだ。でも、愛する父を取られたくない!そんなセシールジーン・セバーグ)に感情移入しながら...でも、今だとアンヌ(カー)の悲しみはどんなだっただろう!と胸が痛む。そして、ハマリ役のニーヴン扮するプレイボーイな父に呆れる。(しかし、ニーヴンなので怒れない。)


若い愛人役のミレーヌ・ドモンジョはどうも好きではない。健康的な肢体と輝く美しい髪に綺麗なドレスを纏って素敵だけれど...どうも。でも、ジーン・セバーグは可愛い。大人になって謎の早い死を迎えてしまう。セバーグを初めて知ったのはゴダールの「勝手にしやがれ」だった。小さな身体とボーイッシュな愛らしさは新鮮だった。


まだ幼い頃、友人達と駄菓子を買いに行き(私は確かチェルシーを買った)、「セシール・カットって知ってる?」という会話をした日を思い出す...まだ、太陽の眩しさが不快だと感じる事もない頃の事。淡いノスタルジック。


「悲しみよこんにちは」:BONJOUR TRISTESSE
1957年 イギリス・アメリカ合作映画 オットー・プレミンジャー監督
出演:デヴィッド・ニーヴン、デボラ・カー、ジーン・セバーグミレーヌ・ドモンジョジュリエット・グレコ