『耳に残るは君の歌声』

cinemachouchou2005-02-14

ロシアで父と暮らす貧しいユダヤの少女フィゲレ。この幼女役のクローディア(クラウディア)という少女がとても可愛かった。前歯が抜けている場面とか子供特有の動きにキュンとなる。フィゲレはロシアからロンドン、フランスと成長しながら生きる。大きくなった役がクリスチナ・リッチだ。ジョニー・デップは少ししか出てこなくて台詞も大してないのだけれど、存在感を残していた。


クリスチナ・リッチって10歳位から子役として順調に演技力を身につけている。何かを感じさせる人だ。小さくて丸っこい体型と大きな瞳も個性に思う。私はこの作品の中では断然!ケイト・ブランシェットが好きなので彼女の鮮やかでしっかりとした存在感、巧さを感じさせる演技にうっとりするのだった。ケイト・ブランシェットが大きいのでクリスチナ・リッチと並ぶと凄い身長差だった。


ジョン・タトゥーロは「愛のエチュード」(チェスの名手役)でとても感動した。今作ではオペラ歌手の役だった。アメリカ人ながらヨーロッパ映画にもよく出演されるのが何か分かる気がする...どことなく顔つきが暗く決して陽気な快活さではない。ナイーヴな繊細な演技の出来る男優様だと思う。ケイト・ブランシェットは最初、イギリス人だとばかり思い込んでいたのだけれど、オーストラリア出身だと知った。ニコール・キッドマンもそうらしい。


最近、自分で少し気づいた事。どうも好きな男優様は英国人に多い...という傾向を。女優様は世界中に数え切れない位に存在するけれど。英国はやはり私の中でとても大きな影響というか何かを与え続けているのだろう。


お話がすっかり逸れてしまっている。この映画、最後は幼い頃に離ればなれになったお父さんにやっと出会うことが出来るフィゲレ(スーザン)。でも、その時はもう病床のお父さんだった。涙を流しながら美しい歌声で歌う...その静かな描写は父と娘の心の動きを優しく包んでいた。


しかし、この映画は本来4時間位の超大作だったのでは?と思えた。もしかして、カットされたシーンにもっと素敵なものがあったのでは?...という様な感想も。

     

「耳に残るは君の歌声」:THE MAN WHO CRIED       
2000年 イギリス/フランス合作映画 サリー・ポッター監督
出演:クリスチナ・リッチ、ジョニー・デップケイト・ブランシェットジョン・タトゥーロ、クローディア・ランダ=デューク